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WaymoとTesla Robotaxiの自動運転タクシー比較 | 乗車体験で気づいた違い

HOWDY!
アメリカ・テキサス州オースティン在住10年目、現地マーケットリサーチャーのメグです。
州都のオースティンはいま、全米でも有数の「自動運転技術の主戦場」です。ダウンタウンを歩いていると、Google系のWaymo、TeslaのRobotaxi、Amazon傘下のZoox、ローカル発のAvrideなどが、頻繁に走行するのを目にします。
この街が自動運転技術の主戦場になっているのには、理由があります。気候が安定し、道路構造が比較的シンプルで、かつテック人材が集中するオースティンは、各社にとって理想的な実験場となっています。
実際に乗車サービスを展開しているGoogle WaymoとTesla Robotaxiの両方に乗ってみると、単なる性能差以上に、両社の思想と成熟度の違いが伝わってきました。

1 無人のWaymo、有人のRobotaxi

Waymoは完全無人の自動運転タクシーです。運転席も助手席も空席で、車内には乗客だけ。
配車が完了して、車体が目の前に到着しますが、
「え?どうやってドアを開けるの?」
実際には、スマホのUberアプリが手順を示してくれます。(オースティンではUberアプリ経由でWaymoの乗車サービスが利用可能)
最初は少し緊張しますが、走り出して数分でその不安は消えます。音声と備え付けの大画面スクリーンが、地図で目的地までの道順をガイド。すでに「人がいない前提」でシステムが完成している印象です。

Waymoの電子画面。周囲の車や人を感知して水色や緑色で画面上に表示される

Waymoの電子画面。周囲の車や人を感知して水色や緑色で画面上に表示される

一方、Tesla Robotaxiは2025年1月時点では助手席に監督者が同乗しています。ハンドル操作こそしないものの、緊急時に即時に対応できる体制です。

2 走行速度と加速感

体感的に、Waymoの方が明らかに速い。ダウンタウンでも時速35マイル(時速およそ55キロ)前後まで自然に速度を上げ、発進からの加速も有人運転にかなり近い印象です。周囲の交通状況の流れに乗るのもナチュラルで、「周囲の車から浮かない」走り方です。

赤信号の交差点で一時停車するWaymoの車内から。緊急時には車を停車するボタンが配備されている

赤信号の交差点で一時停車するWaymoの車内から。緊急時には車を停車するボタンが配備されている

対してRobotaxiは、全体的にやや控えめ。安全マージンを厚めに取っている印象で、同じ道でもスピード感は少し遅く感じました。Waymoは実用フェーズ、Robotaxiは進化途中という感覚です。

3 エンタメ性とUX設計の違い

Waymoは車内スクリーンで聴きたい音楽を自由に選べ、音声ガイダンスも頻繁に入ります。「次は右折します」「目的地に到着しました」といった案内があり、無人でも不安を感じにくいUXです。
一方のRobotaxiは、基本的にスクリーン上の字幕案内のみで音声ガイダンスはありません。エンタメという意味では、降車後にアプリでチップの有無を選ぶ画面で「有り」を押すと、"Just Kidding!(冗談だよ!)"と表示されるユーモアが仕込まれていました。

Tesla Robotaxiのユーモア溢れるアプリ画面。自動運転タクシーのサービス利用にはチップが不要

Tesla Robotaxiのユーモア溢れるアプリ画面。自動運転タクシーのサービス利用にはチップが不要

サービス利用者にとっての自動運転タクシーと一般タクシーの大きな違いの1つは、このチップの有無の差に表れます。自動運転タクシーにチップは不要なのです。

4 サービス台数とエリア

もう一つ、体験のしやすさに直結するのがサービス台数とエリアの違いです。Waymoはオースティン市内で100台規模の車両を展開していて、ダウンタウン周辺では待ち時間も少なく、通常時は数分程度で配車されます。平日夕方5時前後のピークタイムでも、15分程度の待ち時間で配車が可能でした。街の中を歩いていると、Waymo車両は頻繁に見かけます。
提供エリアについては、2025年1月時点ではダウンタウンをはさんで、南北に細長く広域をカバーしています。

降車後次の場所へ向かうWaymo。乗車/降車場所はプログラム化された所定の位置

降車後次の場所へ向かうWaymo。乗車/降車場所はプログラム化された所定の位置

一方のTesla Robotaxiは、数十台前後の小規模展開で、時間帯によっては稼働車両がかなり限られます。平日夕方5時前後のピークタイムでは、30分以上の待ち時間が表示されました。実際に利用しようとすると「今は近くに車がいない」というケースも少なくありません。
Robotaxiは、2025年1月時点で、ダウンタウンを中心にサービスを展開しています。

Tesla Robotaxi配車予約画面。乗車価格はWaymoと比較して安い

Tesla Robotaxi配車予約画面。乗車価格はWaymoと比較して安い

Tesla Robotaxiアプリの配車待ち画面。配車された車種はTesla Model Y

Tesla Robotaxiアプリの配車待ち画面。配車された車種はTesla Model Y

ローカルメディアでは、Tesla Robotaxiの無人運転サービス開始も報じられています。
現時点において、乗車サービスという観点でいうと、完成度・速度・台数の三点でWaymoが一歩先を走り、Robotaxiが追いかける構図のように感じます。


Pathway Connectについて
テキサス州オースティンを拠点に、アメリカのマーケットリサーチ及び現地ガイドサービスなどを行う。現地のニーズに即したリアルタイムリサーチやトレンド情報などの提供が強み。

Waymo、Teslaの自動運転タクシー乗車体験のほかにも、行きたい場所や食べたいものなどといったご希望を伺い、あなただけのカスタマイズプランのご用意も可能です。お気軽にご相談ください!