HOWDY!
アメリカ・テキサス州オースティン在住9年目、現地マーケットリサーチャーのメグです。
アメリカで週末土曜日の朝、家族連れが向かう定番スポットがあります。それが、Home Depot(ホームデポ)とLowe's(ローズ)。ホームセンター2大巨頭として知られ、アメリカのライフスタイルに深く浸透しています。
これだけ広い国土のアメリカで、ブランドへの親しみやコミュニティに根付く力の源泉の1つになっていると感じるのが、両社ともに実店舗で月1回土曜日の午前中、子ども向けの無料DIYワークショップを開催している点です。アメリカ在住のファミリーにとって、週末の定番アクティビティとして親しまれています。
2人の子供を持つ母親である私自身も、時々参加しています。
1 Home Depotのワークショップ「Kids Workshop」
Home Depotの本社所在地はジョージア州アトランタ。2025年時点で、約2,000 店舗を全米で展開しています。
該当店舗で、毎月第一土曜日に無料のキッズワークショップを開催。
木製キットを組み立てたり、ペンキを塗ったり、子どもたちが自分の手で作品を完成させます。大人は隣に座ってサポート。

11月のワークショップはテディベアの写真が入れられるオーナメント

店舗内の一角が作業場に。ハンマーやドライバー、ペンキなどが支給される
参加者は
- 自分で作った作品
- オレンジ色のエプロン
- 缶バッジ
- 完成証明書
を家に持ち帰ることができます。

この取り組みは、週末の来店導線として非常に強力で、ワークショップ後に店内で工具や日用品を購入する家庭も多く、購買へとつながっています。
2 Lowe'sのワークショップ「DIY-U by Lowe's」
Lowe'sの本社所在地はノースカロライナ州ムーアズビル。2025年時点で、約1,700 店舗を全米で展開しています。
該当店舗にて毎月1回土曜日に、無料の子供向けワークショップを開催しています。
Home Depotと同様、木製のDIYキットを使って、子どもが組み立てやペイントを体験するスタイルです。

12月のワークショップのテーマはトナカイとサンタの木工細工(Lowe's 公式HPより引用)
Lowe'sの場合、
- 事前オンライン予約が基本(ストアのアカウント登録が必要)
- キットのデザインがかわいらしくインテリア向け
といった特徴があり、Home Depotの「プロっぽい体験」に対して、Lowe'sはとりかかりやすさやデザイン性が際立ち、ワークショップでもそのブランド性が表れていると思います。
3 キッズワークショップを開催する理由
アメリカではDIYが「家を自分で育てる文化」として普及しており、ホームセンターはその中心的な存在です。実際に、手をかけてリフォームやリモデルした物件は、築年数に関わらず、値上げしても買い手がつく人気物件となります。また、最近では人権費の高騰で、プロに頼むと何千ドル、という高額出費もDIYがますます普及する理由の1つです。
両社が子ども向けワークショップを行うのには、
- 来店頻度を高める接点
- ファミリー層のロイヤルティ獲得
- 次世代のDIY文化の育成
- 実店舗の体験価値向上
など、長期的なブランド価値につながる要素が大きいからです。
特に週末は、ワークショップ終了後に大人が材料や工具を購入するケースにつながり、ファミリー層の購買を自然に促す仕組みとして機能しています。
4 生活者視点でのHome DepotとLowe'sの違い
両社とも月1回の子ども向けワークショップを開催していますが、ブランドの立ち位置には違いがあります。
Home Depotの強み
- プロ仕様・実用性重視
- 店舗が「工場」「倉庫」の感覚
- ワークショップも本格的な工作体験
Lowe'sの強み
- 店内が明るく初心者向け
- ガーデニング・ホームデコの品揃えが強い
- ワークショップもインテリア系
生活者の感覚としては、本格DIYなら Home Depot、家をおしゃれに整えたいならLowe'sというすみ分けです。
週末に開催される無料の親子参加型のワークショップは、Home DepotとLowe'sが次世代でもアメリカのホームセンター2大巨頭であり続ける強力な集客導線として機能しています。オンラインと比較して、実店舗は「体験の場」としてブランド価値を上げる役割を果たしています。
Pathway Connectについて
テキサス州オースティンを拠点に、アメリカのマーケットリサーチ及び現地ガイドサービスなどを行う。現地のニーズに即したリアルタイムリサーチやトレンド情報などの提供が強み。
「現地発」の最新情報をもとにアメリカの生のトレンド・リサーチ情報をお届けすることが可能です。お気軽にご相談ください!